占いの可能性と限界について
しかし恐るべき的中率を示す占術で、全ての条件が十分でも外れることがあります。ことにリーディング(霊感・霊視)や易・タロット・ルーンなどで見た未来については顕著です。それは何よりも人間の意識の力によるものが大きいのです。 人間の意識には非常に大きなパワーがあります。否定的な結果が出たときには絶えず肯定的な方向へ進もうという意識が働きます。また、良い結果が出たときには、「まだこうならない」というストレスが現実化の障害となって立ちはだかります。それゆえ、未来は絶えず揺らぐのです。
ですから、必ずしも占った通りの未来になるとは限らないのです。
それゆえ、多くの占い師は、相談者がどのような意識及び感情パターンを持ち、そのパターンがどのように変化するかを生年月日からの占術である程度予測し、それにリーディングやタロットや易などの現在の状態を細かく読みとる占術を組み合わせて占うのです。 しかし、そうやって出した占い結果ですら、その後の本人の強い決意と行動によって変化していくことは十分あることなのです。それゆえ、占いで出た内容通りの未来が必ずしも現象化するとは限らないのです。
しかし、少なくとも、その人の運命のプログラムのキーを握っているのは、生年月日と時間そして生まれた場所が一番であり、それによって、その人の大まかな人生の骨組みは決まります。後は、その人がどう考えどう行動していったかという後天的な行動と、家族との関係や名前や建物の場所・構造などが副次的なものとして加わって来ることになるでしょう。
よく同じ生年月日に生まれたら同じ運命かという問いを聞くことがあります。石川源晃さんという占星学研究者がいます。その人の母親と、昭和天皇は生年月日が同じで、生まれ時間と場所が多少異なるという関係だったらしいのです。その二人の共通事項は、石川源晃氏の母親は、占星術のある法則に基づいて時期のみがずれて、昭和天皇と同調するように、同じ病気になり、同じような方法で回復し、また同じような病気になり、亡くなられたということが石川源晃氏の著作の中に記されています。
こういった例の報告は少なくありません。ですから、同じような出生データーを持つ人は、同じような運命を辿る可能性は高いと言えます。しかし、運命傾向は似ていても必ずしも同じ運命を辿るかどうかは決まっていないと言えます。石川源晃氏も著書の中で述べられていますが、人生の流れはその生きていく時点の出来事における行動によって変わりうるものであり、決められてしまった宿命ではないということです。
また、全く同じ時間に同じような場所に生まれた場合でも、家族との遺伝関係があります。四柱推命などでも解読のポイントになるようですが、家族関係が性格に大きな影響を与えるのは、当然であることは大抵の方にも異論ないと思います。西洋占星術で見ると、親の遺伝する要素を子供が天体位置などで持っている(親の天体の位置と1度以内の度数を子供が持っている)ことは非常によくあることです。 当然親が違えば、親の持つ天体位置のポイントは異なりますから、親からどのような要素を受け継ぐ(より影響を強められる)かは異なることになります。また、親が異なれば、親との相性も異なりますし、それによって運命傾向に重要な意味を持つ性格パターンも変わってくることになりますから、同じ人生になるとは限りません。ただ、親の支配や影響を抜けた後は、徐々に子供の運命傾向によって人生が決まっていくことには間違いないでしょう。(占星術的にいってしまえば、子供の運命のプログラムに親の傾向も含まれているのですが・・・・。)とにかく、占いは人間の運命構造という多面的なものを、ひもとくキーになりえるものだと思います。
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